【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「せんせ、大丈夫? 腰打った?」
腰を摩りながら床に座り込んだままのわたしの腕を、三木くんがグンッと引き上げる。
片腕だというのに、わたしの体は簡単に持ち上がった。
……どうせわたしは小さいよ?
身長、149センチだから。
150センチ、ギリギリ身長止まって無いよ?
「そんで、雄大はオレに何の用があるわけ? お前が来なきゃ、今頃せんせーとお楽しみタイムだったんだけど……。」
「あー、そうそう! 村センがー。」
二人が話し出した中。
わたしだけは静かに、さっきまでのことを頭の中で再生する。
…………あれ……?
わたし、今まで何してたっけ。
忘れたわけじゃない。
覚えてる、もちろん覚えてるけど……。
『せんせーのこのピンクの唇で、オレの唇……奪って?』