【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「っ、あ、ぶなー……!」
いつの間にか足元に転がっていた、わたしのボールペン。
それに気づかず、足を引いたときに踏んで転びそうになったらしい。
転ぶ前に三木くんが支えてくれたから、何とか助かったけど……。
「せんせ、どこも怪我してない?」
「う、うん……。」
支えてくれた際にバランスを崩してしまって
端から見ればまるで、三木くんがわたしに覆いかぶさっているようだ。
「わお。」
少し離れてこの状況を見ていた笠岡くんが、小さく口笛を鳴らす。
お願い、笠岡くん、その愉快そうな口笛はやめて……。
「さっきから何してるの、せんせい。挙動不審だよ?」
覆いかぶさったままの三木くんとの距離は当然近い。
……三木くんの声が、耳元でクリアに聞こえてくる。