【完】魅惑な藍の海の恋心色。
side 小河藍
「今日から新しく、我が校の保険医となる小河藍先生です。小河先生、何か一言。」
教頭先生に手渡されたマイクを、しっかりと両手で握り
緊張していることがバレないように、一度深呼吸をしてから。
震えない声で、第一声を発した。
「こ、ここっ……がわ、あい、ですっ! よ、よろしくおお、ねがいしますっ!」
……はい、見事に失敗しました。
始めから声、震えてました。
しかもどもりすぎて、〝こがわあい〟じゃなくて〝がわあい〟になっちゃったよ。
全校生徒の前で曝してしまった、ありえない失態に
羞恥でだんだんと顔が熱くなる。
「けっ、怪我をした人、体調の悪い人、は、え、遠慮なく保健室に! 来て、くださいっ!!」
そう言い終えたとき。
最早わたしの喉と頭は限界で……。