【完】魅惑な藍の海の恋心色。
イチゴ牛乳は服の袖で隠しながら、保健室までの道のりを歩いて
保健室でこっそり、一人イチゴ牛乳を楽しむつもりだった。
三木くんが保健室に遊びに来るのは、大抵が授業中
特に多いのは、朝のホームルームと放課後。
休み時間は笠岡くんに連れ出されているみたいだし。
昼休みはどこにいるのか、保健室には全く顔を出さない。
……だからこそこのとき、わたしはイチゴ牛乳を買ったんだ。
まさか、三木くんが保健室にいるなんて思いもしなかったから……。
――ガチン...
「あれ?」
よく家族や友達に、わたしはおっちょこちょいだから
戸締まりや物の管理はきちんとしなさいと、何度も言われた。
だから、家の鍵や自転車のロックの管理などには、充分に気をつけていた。