【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「藍って、その三木くんとやらが好きなの?」
話し終えたところで
里佳子ちゃんの一声目が、まさかのそれ。
「す、すっ……っ!」
「藍の話聞いてたらさぁ、周りの女に嫉妬してるとしか思えないんだけど。」
…………。
「……やっぱり、そうなのかなぁ……。」
何となく、予想してたけど……。
正直、実感が無い。
わたしの初恋なんて。
幼稚園のときに、頬っぺにキスしてきた隣のひまわり組の男の子……
……なんていう。
まぁ、何とも単純な初恋で。
それ以外で記憶に残るほどの熱い恋なんて、わたしは知らない。
初恋だって、ただ初恋だから印象が強いだけで。
実際幼稚園児だったわたしが、焦がれるほどの想いをしたとも、到底思えない。