【完】魅惑な藍の海の恋心色。





なんで、あそこで噛むかな……?


練習のときは一回も噛まなかったし、結構すらすらと言えてて、完璧だったのに……。



それからあった、わたし以外の新任の先生の紹介や

春の大会で優勝した、運動部の表彰も早々と終わって


集会はものの、十数分で幕を閉じた。





「こがちゃん、サイコー。」


「いい演出だったよー。めっちゃ笑えた。」



生徒のみんなは教室に、だいたいの先生方は職員室に

保険医のわたしは保健室に。


戻る際、沢山の生徒に声を掛けられる。



理由なんて分かりきってる。


さっきの噛み噛みな自己紹介のせいで、

わたしはある意味、この学校の有名人となってしまったんだ。



……ていうか、演出じゃない!


あれはあれで、わたしの精一杯だった……はずなんだよ……。



何がどうあれ結果

最悪な形で、みんなに印象付けてしまったよう。





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