【完】魅惑な藍の海の恋心色。
からかって来る生徒もいれば、慰めてくれる生徒もいる
正に十人十色の状態だけど。
その十人全員がわたしの名前を覚えていた。
本来なら喜ぶべきなの場面も、
正直さっきのをきっかけとするなら
これっっっぽちも嬉しくない!
むしろどちらかと言えば悲しい。
なんて言ったって、それだけの人にわたしの恥ずかしい失態を見せてしまったんだから。
今ここに大きな穴があるのならば、今すぐその穴に入って、二度と出て来たくない。
それぐらい、わたしの落ち込みようは酷かった。
――ガコン...
こういうときは、と思い。
保健室に戻る前に、廊下に設置されている自販機で、心を落ち着かせるための飲み物を買う。
これもあまり知られたくない秘密情報だけど、わたしはイチゴ牛乳が1番好き。
今回選んだのはミルクティーだけど、ここがもし家の近所のコンビニだったならば
間違いなくイチゴ牛乳を選んでた。
ミルクティーなんて目じゃない。
イチゴ牛乳は大好きだけど、飲んでいるところを誰かに見られてしまうのを想像すると
子供っぽいイチゴ牛乳を学校で飲むのはありえない。
もしそれで誰かに見られて、これ以上の情けない噂が学校中に広まるだなんて……
考えるだけで怖い。
わたしは生徒に、〝大人っぽい〟と思われたいのに。