【完】魅惑な藍の海の恋心色。
里佳子ちゃん
わたしにも、恋が分かったよ。
……恋って、苦しいね。
片想いなんて、全然楽しくない。
わたしと三木くんは教師と生徒だし。
わたしにとって、三木くんが大切な人であっても。
三木くんにとっては、ただの暇つぶし相手……。
わたしの想いなんて、一切届いてない。
「せんせ、送ってく。一緒に帰ろ?」
「ん……。」
嫉妬という名の渦が、わたしを取り囲む。
三木くんは一体、どんな人に恋をするんだろ?
綺麗な人?
可愛い人?
色っぽい人?
オシャレな人?
優しい人?
明るい人?
三木くんが好きになる人が、わたしだったらいいのに……。
唇と手が重なるその一瞬まで、
ずっとそんなことを
月に願っていた。