【完】魅惑な藍の海の恋心色。
例え生徒のための修学旅行だとしても、
県外への旅行なんて何年ぶりだろ?
最後に行ったのは、確か大学生になる前の、高校の卒業旅行。
だからもう、5、6年ぶりになる。
多分、生徒より浮かれているであろう自分。
「あ、やっぱりせんせーも修学旅行行くんだ?」
隣から書類を覗き込んで、三木くんが言う。
「うん、そりゃあね。これでも保健医だし。」
「ふふ、せんせいがいるなら、修学旅行も楽しめそう。他の男も喜ぶよ?」
「他の男?」
首を傾げるわたしに対して
三木くんはクスッと笑った。
わたしの唇に、その細い指が触れた。
「せんせー、可愛いからさ? 学校の男のほとんどが、せんせーの虜だよ?」
と、とりこ……!?