【完】魅惑な藍の海の恋心色。





な・の・に


デスクの上に置いていた、保健室来客用紙には、誰の名前も書かれていない。


保健室に来たときは、絶対ここに名前を書かなきゃいけないっていうのに……。



あまりの体調のしんどさに、書き忘れたのかなって思って


とりあえず名前だけでも聞こうと、わたしはペンと用紙を持って、ベッドへと近付く。



1番奥のカーテンを恐る恐る開けば、ベッドで眠る男の人の姿が見えた。




か、かっこいい……!!


それは、一目見ただけで分かる。



道を歩けば、誰でも一度は振り返るほどの美貌


顔のパーツ、一つ一つがとても綺麗に整っていて。



きっとこういう人を、女の子みんなは〝イケメン〟と呼ぶんだと思う。



気持ち良さそうにすやすやと眠る彼を見れば

起こすのは本当に申し訳なく感じる。



だけど、これは決まりだし……。





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