【完】魅惑な藍の海の恋心色。
まだ朝なのに、また明日。
待ってなんて言えない。
寂しいだなんて言えない。
それはわたしが教師で、三木くんが生徒だから。
「……なんで、好きになっちゃったんだろ。」
叶わない恋。
想いは絶対に、届かない恋なのに。
……もし、わたしと三木くんが同級生だったら……。
……なんて。
想像を膨らませたとき、
再び扉がガラララと開かれた。
一瞬、三木くんが忘れ物でもしたのかなーって思ったけど。
それは違うようで。
「藍ちゃん、お茶しない?」
「東先生!」
開いた扉からぴょこっと顔を出したのは、
手に小さな箱を持つ東季緒(あずま きお)先生。