【完】魅惑な藍の海の恋心色。
そこにいたのはやっぱり、
三木くんや笠岡くんを含んだ、3年生の男子達。
体操着なところを見て、きっと1限目は体育なんだろうな。
「行くぞーっ!」
まだ先生が来てないことをいいことに、
三木くん達はサッカーボールを蹴って、楽しそうに遊んでる。
三木くん……あんな顔もするんだ。
わたしが知る色っぽい顔とは全く別で。
爽やかな男子高校生にしか見えない、無邪気な笑顔。
「かっこいいなぁ……。」
無意識に、書類のことも忘れて見入ってしまい……。
――ピンポンパンポーン...
「小河先生、小河先生……今すぐ職員室にいらして下さい。」
「あぁ!! 職員会議!!」
呼び出された放送に、わたしは慌てて保健室を飛び出した。
……それにしても。
あんなに大勢の人がいたのに、
三木くんしか視界に入らなかった。
やっぱりわたし、三木くんが好きだなぁ。