大空へ飛び立つ。
___チュンチュン


あなたとのんびり日向ぼっこするこの時間が大好きなの。
あなたも何も言わず、ただぼんやり空を見上げて。



『あのね…。私は、あなたが好きなの。』



そう、伝えてみたら、あなたがニコッと笑った気がして。
嬉しくなった。話すことができなくても、伝わるような気がしたから。


「さち、君も話すことが出来ればよかったのにね…」
「そしたら、僕も君の気持ちがちゃんと分かるのに。」

え…?

「僕が君にこうやって、話しかけてもどうせ、意味はないんだよね。」



伝わってないの?
あなたの声はこんなに私に届いてるのに。


好きなのよ?本当に、愛してるの。

ねえ、届いて。

私は貴方が好きです。



「君は今、何て言ってるんだろうね…」


カシャン

「チュンチュン、チュン!」

言葉にしないと伝わらない?

どんなに想っても伝わらない?

私は、人間を好きになってはいけなかったのね。




伝わらないのなら。こんなに苦しいのなら。


出ていってしまおう、この鳥籠の中から__




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