オレの妹レジェンド
嵐は3日後に来た。土曜で自動車学校の予約は午後のため、テキストをみてゆっくりしていると、父親が海麗と一緒に荒々しく降りてきた。

「天空、お前も来なさい」
「え?どこに?午後から出掛けるんだけど」

父親にそういうと、海麗に腕を引かれた。

「良いから早く来なさいよ」

訳が分からないまま、連れていかれた場所は海麗のバイト先があるショッピングセンターだ。

「何する気だよ?」

「「決着をつける」」

二人の声が重なった。何の決着だよ。

「何で、オレが来なくちゃいけないんだよ 」

「若くて、イケメンがいたらあの二人はヒスらないと思うから」

「父さんがいるじゃん。男!」

「いいから若さが必要なの!」

納得する間もなく、その歯医者に連れていかれた。

胃が思くなってきた。

すりガラスの向こうが待合室の様だが、患者が大勢待っている。

「待ってる人多いな。いつもこんな?」

「まぁね。いままでは回転数が高かったけど」

今までという単語が気になったが、直ぐに分かることになった。

「娘がお世話になってます。12時に予約してた当麻です」

受付にいるのは、真っ赤な口紅を塗った化粧の濃い婆さんで、父親には媚びたような笑顔で父親に、頭を下げているが海麗とオレには笑顔はなく、オレは上から下まで舐めるように見られて、気分が悪かった。

「こっちは、息子の天空です」

父親がオレを紹介したので、頭は一応下げた。

露骨な程の態度の変わりように、海麗が毎日愚痴っていたことがなんとなく分かった気がした。

「あら~立派な弟さんだけじゃなく息子さんも沢山いらっしゃるんですね~」

媚びた女の顔でこっちを見てきた。声色も妙に高くなって寒気がした。

「先生すみません。まだ、午前中の診療が終わってませんので、おかけになってお待ち下さい。海麗さん、手伝ってくれる?」

「娘を今日は手伝わせるわけにはいきません」

そう、父が毅然とした声で言うと、婆さんの顔がまた露骨に変わった。ほんと、分かりやすいが気分は良くない。

椅子に座って待ちながら、小声で海麗に話しかけた。

どうやら、海麗を含めてスタッフ全員が辞めたというのだ!
「なんで、そんなことなってんだよ」

「あの、ばあさんの顔見たでしょ!院長はもっと露骨だよ」

皆まで聞かずとも今までの話しと合わせてだいたいは理解した。

「あれ?







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