片道切符。
時雨が、降る
* * *
久しぶりに会えるかもしれないと、
心に淡い期待を抱いたのは、まぎれもなく事実だ。
式典で彼女を見つけることはできなかった。
淡い期待は砕かれて、でも成人式なんてこんなものかなんて
そう思いながら参加していた中学校の同窓会。
懐かしい面々と顔を合わせ、話に花を咲かせたりした。
けど地元に残ってる俺は、他の地元にいる連中と
定期的に飲みに行ったりしてるから、結局はいつもつるんでる面々で集まって
いつものように、くだらない話をして盛り上がっていた。
そのときのことだ。
トイレへ向かった仲間内のひとりが、「すげーよ」と興奮して帰ってきた。
「どうしたんだよ?」
「煙草切らしたから近くのコンビニに行ってきたんだけどよ、
その隣のレストランで、どうやら女子高が立食パーティーやってるみたいなんだ」
「まじか!女子高はやっぱ洒落てんなぁ!」
「俺たちは居酒屋の座敷なのにな!」
酒がまわり陽気になっている仲間のひとりが、「そう言えば…」と言い出した。