公園であいましょう

 マンションをでて闇雲に歩いていたら、あの公園に来ていた。

 だれも座っていないベンチに近づき、そっと触ってみる。


 ここで出逢ったんだった。

 最初から、佐倉くんは私に気がついてくれてて、

 素敵になった佐倉くんにドキドキして、幸せをいっぱい貰ったんだ。


 好きって言ってくれたのも、ここだった。

 なのに怒らせちゃって、、、、。

 佐倉くんのまわりはきれいな女の人がいっぱいなのに、
 私を選んでくれたのに、、、。

 もう、ちかくに居られないんだろうな。

 ベンチにむかって呟いていたら。



   「やっぱりここにいた。」



 と声がした。

 その声は佐倉くんだってわかるのに、私はふりむけない。



   「あー、俺、ケガしちゃって。さっきの人は、俺の従姉で
    姉貴みたいなもんなんだ。
    車が運転できるから、都合よくて。
    退院を手伝ってもらっただけだから。」

   「誤解されるようなこと、なんもないから。」

   「何も、連絡しなくてごめん。最後にあったのがあんなんだったから
    なんか気まずくてさ。」

   「あー、あの、委員長、聞いてる?」



 聞いていますとも、全部しっかり聞いています。

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