公園であいましょう

 恥ずかしくて、俯いていたら、力強い腕につつまれた。



   「もう委員長、破壊的すぎ、俺、壊れちゃうよ。」



 佐倉くんの声が聞こえてきて、さらにぎゅっと抱きしめられたから
 私も佐倉くんの背中に手をまわした。


  (好き、大好き、佐倉くんが好き)


 デートも侭ならないけど、こっそりとしか逢えないけど、

 佐倉くんの回りには、きれいな女の人ばかりだけど

 でも、私の大好きの気持ちはだれにも負けない。


 そう思ったら、キスしたくなって。

 精一杯、背伸びをして、佐倉くんの頬にキスをした。

 佐倉くんは、さらに、さらに、驚いた顔をして
 ますます固まってしまった。


 ふふふ、桂木 郁、 24才  

 初めて自分から、キスをしました。



   「てか、せっかく委員長がその気になってくれたのに
    俺、当分、ダメだわ。」

   「えっ、なんで?」

   「この足だから。」
   
   「あっ、そうか。」

   「今、わかりやすく、ホッとしたね。」
   
   「いいえ、そんなことはありません。」
   
   「ふーん、いいさ、足がなおったらね、、、。」
 
   「............... 。」(まっ赤)
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