公園であいましょう
(32)
「一ヶ月後ぐらいの公民館が休みの日、
その日にでかけて、一泊してこよう。
だから、次の日に休みを取ってくれる?」
そう、佐倉くんに言われて、ドキンとした。
佐倉くんのケガは、すっかり良くなったけど、その後
休んだ分の仕事が忙しくて。
私のはじめては、全然はじまってもいない。
でも、、、
(二人で出掛けて、それでお泊まりってことは、、、)
考えたら、頬が熱くなった。
私は、佐倉くんの顔が見れなくなって、俯いてしまう。
ふっと佐倉くんが笑った気がして、佐倉くんがどんな顔をしているか
気になってしかたがない。
「郁、いいかな?」
俯いた私の顔を覗き込むようにして、やさしい声で言うから
我慢できなくなって、ちらりと佐倉くんの顔を見た。
「いい?」
再び訊ねられて、こくんと頷く。
そしたら、唇に甘いキスが落ちてきた。
啄むように触れていたくちづけは、だんだん深くなって
私をとろけさせるようなものにかわる。
体の奥が熱くなって、はぁーと大きく息を吐き出したいのに、
佐倉くんのくちびるに塞がれて、侭ならない。
それでも離れない唇をうけとめていると、頭のしんがジンと
しびれてきて、体の力が、かくんとぬけた。
そうしてやっと離れた唇をさみしいなと思う気持ちと、
やっと、息がうまく吸える安堵感にゆれながら、
私は、佐倉くんを見上げる事ができた。