公園であいましょう

 一ヶ月後にある、お葬式なんて聞いたことないわよ、と
 田辺さんに鼻で笑われて、私は青くなった。

 館長にも、嘘ってばれてるのかなとしゅんとなる私。



   「そう、それでいったい、どこに行くのかな?」



 田辺さんは、さながら蛙をおいつめる蛇のように目を光らせながら
 私の顔を覗き込むと言った。



   「さ、さぁ? 私もまだ知らなくて。」

   「そう、それでは、いったい誰と行くのかな?」



 私は肩をちぢこませ、田辺さんの顔を見なくてすむように顔をそむける。



   「そ、それは、、、。」
  
   「それは?」

   「さ、佐倉、、、くんと、、、。」

   「ふーん。」



 田辺さんはニンマリと笑い、私に体をすり寄せてくる。



   「そう、それで、心と体の準備は?」

   「は?、準備?」



 惚けた返事をかえした私に田辺さんがくわっと牙をむいた。
< 115 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop