公園であいましょう

 ドンと体をつきとばされてよろけた私が、
 なにが起こったか理解できないまま顔をあげると
 高級そうなスーツを身にまとった美人に抱きつかれている
 佐倉くんが見えて、
 私の脳内回路はますます迷走し、理解が追いつかない。

 しばし呆然としていた佐倉くんが、
 抱きついていた美人さんを押しはがし、あせった顔で私を見た。

 引きはがされた美人さんはというと、佐倉くんの目線をたどって
 チラリと私を見ると、一言、いった。



   「あら、桂木さんじゃない。」
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