公園であいましょう

 ホホホホと相沢さんは上品に笑う。

 そして、その上品な笑いが引っ込んだと思ったら



   「で、なぜ桂木さんがここにいるのかしら?」



 と威圧的な声で、私に聞いてきた。



   「あ、うっ、、、。」



 美人に見据えられるとけっこう怖い。



   「桂木さんは、職場はこの近くなんだ。だからだよ。」




 何も言えないでいた私にかわり、佐倉くんが答えてくれる。



   「まぁ、そうですの。じゃあ、今は仕事中でいらして?」

   「........はい。」

   「まぁ、ずいぶんと自由な職場ですのね。仕事中にもかかわらず
    友人の家を訪ねることができるなんて。」



 にっこり、相沢さんは微笑んでいるが、目が少しも笑っていない。
 
 そして、その目が言っている。
 さっさと、職場に戻りなさい。
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