公園であいましょう

 佐倉くんと相沢さんを二人を残していくことに
 抵抗は有りまくりだったが、時間も時間だ。
 私は立ち上がった。



   「私、そろそろ戻ります。
    佐倉くん、コーヒーごちそうさま。」



 それを聞いて佐倉くんも弾かれたように立ち上がった。



   「送って行くよ。」



 佐倉くんの、その一言がうれしかった。

 ガチャンと玄関のドアを閉めて、佐倉くんが私の肩をつかむと
 言った。



   「相沢さんとは、何もないから。すぐに帰ってもらうから。」

   「うん。」

   「また、連絡する。」

   「うん。」



 不安がないって言ったら、嘘になるけど、
 今は、佐倉くんのことを信じる。

 エレベーターの戸が閉まるまで、佐倉くんは手を握っていてくれた

 エレベーターの中で一人になった私は、その温もりを逃がさない
 ために、今までつながれていた手をそっと握りしめた。
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