公園であいましょう
(34)
出逢ってすぐ抱きしめられて、甘いキスを落とされるから
私の息はすぐにあがってしまう。
背後で玄関のドアがガチャリとしまった。
まだここは、玄関なのに、、、、
誰かが、ドアをあけやしないかと、ひやひやしてしまう。
「郁が、足りなかった。」
そんな事を言って、私をやさしい顔で見るから
私の顔はきっと、まっ赤だ。
相沢さんとびっくりの出逢いをしてから、またしばらくは
佐倉くんとは逢えなくて、今日は久しぶりの二人の時間だった
「旅行のパンフレット、見ていってよ。」
「川があって、緑があって、素敵な所だね。」
「プライベートコテージなんだって。隠れ宿みたいなところだから
人目を気にせずにゆっくりできるよ。」
「うん。」
あっという間に日にちは過ぎて、旅行はもう来週だ。
うれしさと、恥ずかしさと、ちょっぴり恐さと、、、
いろんな気持ちがまぜこぜになった心の片隅に
コチンっと固まった気持ちがある。
相沢さんのことだ。