公園であいましょう
「でも、まさか本当につきあっているんじゃないでしょうね。」
真島さんが鋭い視線でおれを捉える。
「まさか、つきまとわれて迷惑してるんです、俺は。
つきあってなんかいません。」
憮然として答えた俺に、
真島さんははぁっとため息をつきながら言った。
「たしかに彼女はなり振り構わず、翔太狙いだったわね。」
「二言目には、私は栄福屋の広報宣伝部長補佐ですので、
で、ごり押ししてましたし。」
イベント担当の塚原さんの言葉がつづき、みんなが無言で頷いた。
「こりゃ、本人の持ち込みネタかもな。」
「どちらにせよ、週刊誌が発売されればなんらかの
影響がでるだろう。
まちがいのない応対をたのむ。」
営業部長が苦い顔をしてそう締めくくり、そこにいるみんな
から、はあーとため息がもれた。
食べていなかった朝食を近くの喫茶店ですませ、
その後の事を話し合ったり、情報収集しているうちに
郁との待ち合わせの時間を過ぎてしまった。
一人になって、スマホをひらくと郁からの着信がいくつも
残されていた。
電話をかけたいところだが、誰かに聞かれてもまずいので
メールを打つ。
俺は遅れてでも、郁のところへ行くつもりでいたし
そうできる、と思っていた。
皆のところに戻ろうと、廊下の角をまがったところで
真島さんに呼び止められた。
そしてそのまま近くの空室に押し込まれる。