公園であいましょう
(40)
あまり広くないバーの中には、着飾った人たちが飲み物を手に
立ち歩いたり、かたまって話したり笑ったりしている。
私は壁にそうように並べられた椅子のひとつに座り
そんな人たちをまるでテレビか何かを見るように見つめていた。
(場違い、、、)
その言葉が、さっきからずっと私の中で回っている。
慣れない高いヒールの靴で痛む足をそっと擦りあわせていると
ポンと肩をたたかれて、私は顔をあげた。
そこには、私をみてやさしく微笑む佐倉くんがいて、、、。
「疲れた?」
「ううん、大丈夫。」
「もう少ししたら抜け出そう。」
「えっ。」
「最後にもう一度、岩間さんにだけは、二人そろって
あいさつにいかないとな。」
そういって佐倉くんは、私の手をとり立ち上がらせると
そっと背中をおす。
そして二人で、出版社の人らしき人と談笑している岩間さんのところに
歩いていった。
「おやおや、噂の二人がそろっておでましだ。」
今度の写真ののった雑誌の出版社の社長さんが、
私達二人を見て言った。
今日私は、その出版社の主催した小さなパーティーに
呼ばれてきている。
どうしてこんなところに私がいるか、というと、、、。
それは、ホテルのカフェラウンジで、相沢さんと言い合いをした
後、真島さんと岩間さんに出逢ったことが始まりだった。