公園であいましょう
「ハワイってさ、観光地化されてて、自分の中では
興味ない場所だったんだけど、この間行った所は、
まだ手つかずの自然が残っていてさ、よかったよ。」
興奮した様子で、海の青さや島の自然を語る、佐倉くん。
「すごいね、ハワイなんて、なかなか遊びにいけないよ。」
「いや、、、仕事で行ったんだ。」
「えっ、学生って言ってなかった?」
わたしの問いかけに佐倉くんは、あたふたとして、
「ほら、バイトで!、、、カメラマンの助手してるんだ。」
「へえー そうなんだ。」
「お供で、あっちこっち行くんだよ。それでハワイも、、、。」
「いいなぁ、バイトでハワイなんて。」
「まあね、仕事でいろんな経験をさせてもらえて、ほんと感謝してる
今しかできないこともあるしね。」
そう言う、佐倉くんの目はキラキラ輝いてた。
それから、佐倉くんは、バイトの仕事で行った先のおみやげを
時々買ってきてくれるようになった。
携帯ストラップだったり、キーホルダーだったり。
ささやかものばかりだったけど、うれしくて。
でも、私達は、いつも公園で、それだけだった。
メールも確認のメールのみ。それ以上もそれ以下もなく、
気がつけば、冬は終わり、桜の花も散り、青々と葉が茂る季節をむかえていた。