公園であいましょう

   「こっちきて。」


 そういって、佐倉くんにひっぱってこられた先は、、、。


  
   「ここって佐倉くんのうち?」

   「うん、入って、遠慮しないで。今、ふくものをもってくるから。」


 
 そう言って、廊下をぬけていく。
 
 結構、ハイクラスのマンション。
 広い玄関、それに続く廊下の先にある部屋も広そうだ。

 
 私は、ポカンと玄関に突っ立ったままだった。

 
   
   「何やってるの?早く入って。そんなとこにいたら、風邪ひくよ。」

   「ああ、うん。」
 

 
 おそるおそる進んだ先にあるリビングダイニングは、やっぱり広い。


   
   「佐倉くん、お家の人と住んでるの?」

   「いや、俺ひとりだけど?」


 
 いや、ひとりって、すごくないですか?この部屋。
   


   「服をきがえるほどじゃないよね。」

   「うん、全然だいじょうぶ。」

   「はい、タオル。濡れたとこふいて、、って、時間だいじょうぶ?」

   「あっ!」


 
 しまった!部屋に気をとられて、全然考えてなかった。

 しょうがなく、私は田辺さんに電話して、雨でかえるのが遅れる事だけ話した。
 
 田辺さんは、ちょうど館長はいないからだいじょうぶと言ってくれた。
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