公園であいましょう

   「まえに話してくれたでしょ。ハワイの海のこと。
    その写真集を見たら、その話を思い出しちゃって。
    こっそり、持ち出してきちゃった。」

   「俺のために、持ってきてくれたんだ。」

   「う、うん。」



 なんだか、そんな風に言われると、恥ずかしい。
 佐倉くんも、はにかんだ笑みをうかべた。

 写真集を見ながら、佐倉くんが、ぽつり、ぽつりと言葉をおとす。


   
   「一日中でも、見ていられるような海だった。
    でも、みんな仕事で忙しくて、そんな余裕なくて。
    仕事が終わっても味わう余韻も無く、さっさと撤収でさ。」

   「うん。」

   「また、行ってみたいんだ。」

   「いいなぁ、それ。」


 
 と私が言うと、



   「一緒に行く?」


 
 佐倉くんが、いたずらっ子のような顔で言う。



   「えっ。」

  
  (一緒に、、、、一緒にぃ?!)


   

   「委員長にも見せてあげ、、、、れって、何? 顔、まっ赤だよ。」

  

  (キャー、こっち見ないで) ますます頬が熱くなっていく。


 
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