公園であいましょう
(10)
(あの時、もし、佐倉くんのスマホが鳴らなかったら、、
私達って、、、キ、、キ、、)
「わあぁ、郁ちゃん、水、水!」
「えっ、あっ、ああ、大変!」
ぼぉーっと考えごとをしながら、鉢植えに水をやっていたら
水があふれてしまった。
「どうしたの?郁ちゃん。」
田辺さんが顔をのぞき込んでくる。
「なんか、最近変よね、郁ちゃん。」
「そんなこと、ありませんよ。」
私は、慌てて否定した。田辺さんに詮索されたらひとたまりも無い。
体を丸めて俯く私を、さらにさらに、のぞき込みながら
「恋、、、かなぁ。」
田辺さんの色っぽい声が、私の耳に吹き込まれる。