公園であいましょう
 
 待田さんは、またキョトンとした顔をし
 しばし、私の顔をじっとみて


   
   「別に、ふつうに仕事も、生活もしてるけど、、、、。」

   「っていうか、そんな恋する気持ち、、忘れちゃったわねぇ」

 
 
 としみじみした声で言った。そして、


   
   「桂木さん、いい恋してるのね。」


 
 そう言って、微笑んでくれる。


 仕事や生活に支障がでるのは、困ったことだが
 ”良い恋” と言われてうれしくなった。

 
 そうか、私は、良い恋をしてるんだ。
 
 
 (きっとそれは、相手が佐倉くんだからだ)


 と私は思った。

 私は、幸せだ。仕事と生活ぐらい難なくこなさなければ、、、
 この恋のためにも、、、!


 
 この頃の私は、”恋” を知りはじめたばかりだった。

 苦しいことも、反対に舞い上がりそうなほどうれしいことも、
 私は知りはじめたばかりだったのだ。


 この先、とんでもないことが起こることなど、思いもせずに、、、。 


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