公園であいましょう
(11)
 
 日差しはますますつよくなったけど、
 公園のベンチは木にかこまれているせいか
 ギラつく太陽の日差しはさえぎられていて、過ごしやすい。

 
 でも、佐倉くんと出逢った頃は、コートをきて、
 背中をまるめて座っていたのを思うと四季の移り変わりの早さを思う。

 
 葉と葉の間をすりぬけてくる、夏の日差しをまぶしく見上げていたら、


   
   「あのー、ここで井倉翔太さんと待ち合わせしてみえますよね。」



  と、見知らぬ人に声をかけられた。

 目の前には、茶髪の長い髪をひとくくりにし、
 首からカメラをさげた男の人がいて
 うさんくさい笑顔を顔にはりつけて、こちらを見ている。


   
   「えっ、わたし、、、。」


 
 確かに私は人を待っているが、その人は井倉翔太なんて、名前ではない。
 彼は、佐倉翔平くんだ。

 
 人違いだということを伝えようとしたら、


   
    「ごめん、待たせちゃって。」


 
 と、大きな声がして。
 
 
 
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