公園であいましょう
(14)
また来る、と言った言葉通りに、
佐倉くんはそれからも、図書室にやってきた。
本を返し、また本を借りる。
そのやりとりの間に、今度撮影する場所のこととか
プロモーションビデオの撮影のために、ダンスの特訓をしているのだ
といった話しをしていく。
私が、そっけない受け答えしかしないのを見て取ると
あまりしゃべらなくなったけど、
かわりに、図書室の机で本を読んで帰るようになった。
必ず、また来るよ という言葉を残して、、、。
私は戸惑っていた。
素っ気なくするのは心苦しかったけど、
話しをすることで、お互い身近になって、また前のように
浮かれてしまう自分がいるのはいやだった。
もう逢わなくなって、忘れてしまうはずだった
私の中の佐倉くんへの気持ちは、
宙ぶらりんになって、ぶらさがったままだ。