公園であいましょう
(2)
 今日も私は、いつもの公園で、ゆったりと過ごす。

 まだまだ、冬の最中だけど、今日の風は穏やかだ。
 冬なのにこんな日があると、なんだか得したような気持ちになる。
 
 ここのところ、ずっと寒さのきびしい日が続いていたから
 余計にそう思うのかもしれない。

 頬に日の暖かさを感じながら、私はそっと目をとじた。


   
   「また、逢えた。」

  
  
 間近で声が聞こえて、おどろいて目をあけると

 
   
   「佐倉くん、、、。」

  
  
 目の前に、先日ここで逢った人、、、
 高校三年生の一年間を同じクラスですごした、佐倉くんが立っていた。


 彼は、わたしのつぶやきにうれしそうに笑うと
 ベンチに近づき、私のとなりに腰をおろした。


   
   「俺の事、思い出してくれたんだ。」
 
   「う、うん。」


  
 となりで彼は、あーっとのびしながら、空を仰いでいる。
 反対に私は、ぎゅっと握った拳を膝の上におき、俯いた。
 
 なんだか、緊張する。


   
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