公園であいましょう
振り返ると、短髪で、目つきの鋭い男の人が立っていて
私をじっと強い視線で見つめている。
「誰かな、君は?」
問われて、やっと自分のいる状況に慌てた。
「ごめんなさい!私、迷子になったみたいで。
知り合いを探してて、それでこの部屋を覗いたら
この滝の写真に目を奪われてしまって、、、、。」
そう言い分けしながら、一歩後ろに下がったところで
太いコードを踏んづけて、私は手に持っていた袋を落としてしまった。
袋の中から、佐倉くんに頼まれた写真集がとびでる。
「その写真集は?」
慌てて本を拾い上げた私に、また質問がとんできた。
「あ、あの、知り合いに頼まれて持ってきたんです。
ここにいるから、届けてほしいと、、、。」
「知り合いとうのは?」
「佐倉、、あっ、いえ、井倉翔太さんです。」
男の人の鋭い目が、写真集をじっと見た。
「井倉くんなら、反対側の通路を行った
第四会議室にいると思うが、
部外者は立ち入り禁止じゃないかな。」
「そうですか、至急手に入れたいといわれて
持ってきたんですけど、、、。」