公園であいましょう
「僕が、渡しておいてもいいよ。」
「え、そうですね。じゃあ、お願いできますか?」
そう、ここまでは普通だった。
私が、一歩前にでて写真集を渡そうとするのと
男の人の手がのびてきて
髪をまとめていたシュシュが取り除かれるのが一緒だった。
「えっ、きゃ!」
慌てて手で押さえたが、髪がパサリと背中に広がる。
驚いて固まる私の目の前から、何歩か後ろにさがった男の人は
パネルの前に立つ私を見て言った。
「うん、いいね。君の名前を教えてもらおうか。」