公園であいましょう
(20)
『最近、図書館王子がすがたをみせないなぁと思ってたら
相手がシブい図書館騎士にかわってるー。」
マンドリンサークルの定期演奏会のポスターを
合唱団のクリスマス公演のポスターに張り替えるために
登っていた脚立の足下で声がした。
下を見ると、田辺さんがしゃがんでいる。
「田辺さん! そんなとこで、、、、覗きですか!」
そう叫んで、慌ててスカートをおさえた。
「郁ちゃんのパンツ見たって、ちっとも欲情しない。
それよりあの図書館騎士サマのお顔をほうがよっぽど、、、。」
「なんなんですか! 図書館騎士って、、、。」
「王子に対して騎士(ナイト)、
あの、鋭い眼差しが悪いやつから身を守ってくれそうで、、
って、郁ちゃん顔が赤いけど?」
脚立の上でしかも、ポスターを両手に持った状態では
赤くなった顔を隠しようがない。
「我らが図書館姫にも、ついにモテ期がやってきたか〜」
そう言って、脚立をパシパシ叩くと、田辺さんは去って行った。
危ないですって、、、揺れますって、、、
ポスターを張り終えて、脚立をおりると携帯に着信が。
私はメールを読み、そっと携帯をとじた。