公園であいましょう
(24)
寒さも厳しくなってきて、日陰ができる二階のテラスでは
息抜きもできなくなった私は、地下の暗い書庫が
唯一の息抜き場所になっていた。
「なんか、だんだんと暗くて湿っぽいところに
追いやられているような気がする。」
そう声にだしてつぶやいてみたら、余計にみじめな気持ちになったので
言わなきゃよかったって思った。
暖かくなったら、公民館の回りを歩いて、
また、あの公園のような場所を見つけてみよう。
そう自分で自分を励まして、
本をとるためのステップに腰掛けたとき、携帯の着信音がなった。
私は、携帯をひらき、メールを確かめる。
メールに気がつかなかったことにしようか、、と思い、
ふと顔をあげると、かべに掛かった細長い鏡に自分の顔がうつって
見えた。
しばらくその鏡にうつる顔を眺め、私は、そっと携帯を握りしめると
ゆっくりと立ち上がった。