公園であいましょう

   「そしたら、白鳥は美しさのかわりに、自由を失うんだって。
    そうして、自由に恋もできなくなった若者を
    君はしってるだろうって。」



 佐倉くんが私を見た。

 苦しげだった佐倉くんの瞳が、今はゆらゆら揺らいでいる。


 その瞳を見ていたら、なんとなくわかってしまった。


 佐倉くんのことなんだ。

 佐倉くんは恋をしたんだ。

 でも、自由にできなくて、苦しい恋をしてるんだ。
 
 それでも、佐倉くんは、その恋がきっと大切なんだろう、、、。



 佐倉くんの回りには、素敵な女性がいっぱいいる。

 その中の誰かと恋をしたのだ、、、と考えたら
 ツキンと胸が痛んだ。

 私がとやかく言えることじゃないのに、、、。



   「岩間さんのいった若者って、佐倉くんなんだね。
    佐倉くん、、、恋してるんだ。」

   「うん、、、。」



 ああ、やっぱり、、、。



 



 
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