公園であいましょう

   「今日、やっと気づいたんだ。恋してたんだって、
    あんなに近くにいたのに、横から攫われそうになって
    それで、やっと、気づくなんて、、、。」



 ゆらゆらと瞳を揺らしたままで、
 佐倉くんが呟くようにしゃべっている。

 佐倉くんのことは、あきらめたはずなのに、
 私の想いはかなうはずがないと、わかっているのに

 佐倉くんの口から、好きな女性の事を聞くのは、いやだ。



   「手遅れかもしれない、でも、まだ望みがあるなら、、。」



 佐倉くんはわたしに向かって、はなし続ける。

 やめて! 私は聞きたくない、、、。



   「ひょっとしたら、あの時から、ずっと、、、。」


 やめてって言おうか、耳をふさごうか、、。



   「五年前、図書室で、、、
    積み上げてあった本がくずれてきた時から、、、。」


  (えっ?)


 心臓がドクンと音をたてた。
 それって、、、。



   「岩間さんに勝てるかって言われたら、それはわからない。
    でも、俺は岩間さんに渡したくない。

    委員長はおれのもんだっ。」



 そう言って、佐倉くんは立ち上がると、私の腕をつかんで
 抱き寄せた。
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