公園であいましょう
 
 (偶然、二回も逢っちゃったけど、また、逢えるのかな、、、)

 
 逢える期待にドキドキするような、あんなに格好よくなった佐倉くんが
 また逢いたいと思うはずがないよねと、浮かれる気持ちを
 たしなめるような感情がわいてきて、おもわずため息が漏れた。
 


   
   「あらあら、大きなため息なんかついちゃって。」


  

 突然後ろから声をかけられてふりむくと、一緒に働いているパートの田辺さんがいた。


    
   
   「息抜きに出かけたと思ったら、ちっとも帰ってこなくて
    心配しちゃったわよ。何かあった?」


 
 
 別にそれほど何かあったわけではないのに、
 ”何かあった?”と問いかけられた瞬間
 佐倉くんの顔がうかんで、頬に熱が集まるのを感じた。



   
   「あらま、顔が赤くなった!」

   「あっ、 えっ、?!』


  
  
  (バカバカ、私。こんな態度とったら余計に詮索されるのに、、、)

 

 私のふせた顔をのぞき込むようにして、田辺さんはニッコリほほえむと



   
   「郁ちゃんたらぁ、もう、何かあったら絶対私にいうのよぉ。」



 
 そういって、事務室の方へ去って行った。
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