公園であいましょう

 今日の委員長は、髪の毛を右側よりにむすんで
 右肩に流している。

 そして、まな板に向かって俯いているから、
 白い項が、あらわになっていて、
 なぜか、そこに目が吸い寄せられた。

 その姿を見ていたら、以前、岩間さんのスタジオでみた
 薄いワンピースでカメラの前に立つ委員長が思い出されて

 かっと顔が熱くなった。


  (俺には隙を見せないくせに、
   岩間さんの前では、あんな格好をして、、、)


 そう思った時には、体が勝手に動いていた。

 委員長の後ろにまわって、後ろから委員長の体をだきしめる。

 そして、あらわになっている項に顔をよせた。



   「佐倉くん!」


 委員長が咎めるように、俺の名前を呼ぶけど、止まらない。


 耳の後ろにちゅっとキスをして、首筋を唇でたどる。

 春らしい淡い色のVネックのセータをひっぱっって
 細い肩をだすと、そこにも唇をはわせた。


 頭のどこかで、やめた方がいいという声が聞こえるが、
 手も体も、まるで何か別のものでコントロールされているかのように
 動いて止まらない。


 委員長の顔をこちらに向けさせて、キスしようとしたら、
 ふりむき様、強い力で押されて、俺は数歩後ずさった。


 顔をまっ赤にして、涙をうかべた委員長が、
 俺を見て、顔をゆがめた。

 (なんだ、、、そんなに、いやっだったのか、、)

 すっと頭が冷えて、俺は、委員長から離れて、
 キッチンのカウンターに寄りかかった。
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