公園であいましょう
「ありがとう、、、ございます。」
「図書館王子も図書館騎士も、最近とんとごぶさたねぇ。」
「.................。」
「まぁ、話ぐらいきくからね、郁ちゃん。」
そう言うと、田辺さんはもうひとつのアメをポケットから出し、
ぽんと口に放り込みながら、去って行った。
私ってば、回りにわかりやすく、落ち込んでるんだ。
それが、佐倉くんや岩間さんに関係しているということまで、
田辺さんには、お見通しらしい。
私は、なぜ佐倉くんが、突然あんなことをして、
そして怒って出て行ったのか、わからないでいた。
確かに、私が岩間さんのモデルをすることを反対していたけど
それは、私が、またやっかいごとに巻き込まれるのを
心配してだと思っていた。
マスコミに知られるのはいやだけど、
岩間さんのカメラの前にたつのは、いやじゃない。
佐倉くんに言った気持ちは本当で、
その気持ちに気づいたのは、最近だったし
同じカメラの前にたつ佐倉くんなら、
私の気持ちに共感してくれると思っていた。
でも、違った。
あんなに怒るなんて、思ってもみなかった。
佐倉くんの気持ちがわからない。
もう、私のことを嫌いになってしまったのだろうか、、、、
そう思ったら、居ても立ってもいられなくて、
私はガタンと椅子をならして立ち上がった。