復讐女
「ご指名、ありがとうございます、沙希です……失礼します」
『あぁ……お前、もういいぞ…後でな』
そう言って、女に席を外させた
『悪いな、忙しいのに』
「いえ、ご指名いただけるなんて嬉しいです…お客様、お名前をお聞きしても?」
『あぁ…瀧本隼斗だ』
俺の名前を聞くと
沙希はグラスに入れようとしていた
氷を落とした。
「あっ、すみません」
明らかに動揺している。
そりゃ、そうだ。
お前が探していた同じ名前の男がいるんだから……
『瀧本組の若頭……それが俺』
その言葉に少しだけ顔が穏やかになる
『あー、会社もやってる。瀧本カンパニー』
瀧本カンパニーの名前を出すと
やはり動揺をしていた。
くくくっ……
こいつ……わかりやすいな…
沙希は作り笑顔で
仕事をこなしていく。
俺が何か言えば
顔色がコロコロかわる
おもしれぇ……
『沙希…俺はお前が気に入った』
そう言うと
沙希の目の色が変わった
人を殺そうとしている目だ。