復讐女
外に出ると田辺が待っていた
俺は車に乗り込む
俺の後に続き沙希も乗る
『倉庫に行ってくれ』
車は人を走り出す
その間、沙希は一言も話さず
ただ、外を眺めていた
30分位、車に揺られ倉庫に着く
俺は男らのところまで歩いていく
沙希も早足でついてくる
監視役の組員が俺に頭を下げる
『よぅ……生きてたか?』
意識朦朧としている男ども
「はっ……はっ……」
男どもは、返事すら出来ていない
『沙希……こいつらか?』
俺は沙希を見ると
身体を震わせながら、男らを見ている
「っ……。そいつ…。忘れもしないわ…」
『そうか……殴るなら殴れ』
俺は約束通り、気が済むまで殴ればいいと思ったが、やはり沙希は動けない。
『ったく……無理するな』
そう言って俺は沙希の頬の涙を拭った
『田辺…』
俺は沙希を車に戻すように田辺に指示をし、男どものところへ行く。