復讐女
ドスっ……
鈍い音がした
『ゔっ……あきら……てめぇ』
俺は晃を力一杯ぶん殴った
バキッ
ドンっ……
晃は気を失った
「は、隼斗!おい、大丈夫か?」
聡が心配そうに俺を見る
『なっ、なんつー顔…してんだよ』
「おい!!誰かっ!誰か!!」
聡は必死に大声で叫んでいたが
俺にはだんだん遠くに聞こえる……
あぁ……もしかして
俺……刺されたのか……
『さ、さと…し……沙希を…たの。む』
「隼斗、何言ってんだよ!」
へっ…俺は笑って……
意識を失った……
俺が晃を追い込んだとしたら
俺への罰なんだろうか……
やっと、全てが終わって
沙希と生きていけると思ったのに……
沙希……
沙希にもう一度…会いてえ
もう一度……沙希を抱きしめてぇ
沙希の笑顔が……みたい。