月だけが見ていた
「…意味わかんねーよ、」


グシャグシャと頭を掻きながら
主任は一人で階段を上っていった。


私たちの足の下を、数台の車が連なって通り過ぎていく。



「……」




だんだん離れていく


主任の背中も 心も。



向き合えないのは
応えられないのと同じ。


応えられないのは
傷付けるのと同じだから



私、間違ってないよね?




……司(つかさ)くん。
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