月だけが見ていた
「俺、」
ハッとして顔を上げると
階段を上りきった主任が、私を見下ろしていた。
「本気なんだけど?」
今にも泣き出しそうな表情が
月明かりに照らされて浮かび上がる。
「……っ、」
思わず階段を駆け上がろうした、その時
足が滑ってバランスを崩したわたしの体は、勢い良く後ろに傾いた。
「、おい……!?」
ーーー 落ちる、と思った時には
もう遅かった。
ハッとして顔を上げると
階段を上りきった主任が、私を見下ろしていた。
「本気なんだけど?」
今にも泣き出しそうな表情が
月明かりに照らされて浮かび上がる。
「……っ、」
思わず階段を駆け上がろうした、その時
足が滑ってバランスを崩したわたしの体は、勢い良く後ろに傾いた。
「、おい……!?」
ーーー 落ちる、と思った時には
もう遅かった。