月だけが見ていた
「二見主任」

「ん?」

「お先にお帰り頂いて構いませんが」

「……やだ。」



や、やだ?
って言った?



「いいよ。勝手に待ってるから」



真っ直ぐな視線が
私を捕らえる。



「……はい」




ーーー 逃げられないんだ、


今日こそは。


< 6 / 84 >

この作品をシェア

pagetop