月だけが見ていた
何か言いたげな口元から視線を逸らして、そのまま強く揺さぶった。
葉子が小さく声を上げて、ぎゅっと目をつぶる。



何度体を重ねても 
葉子は完全には俺に心を開いてくれない。

その理由が掴みきれず、もどかしい。

焦燥感に似た想いが、日毎に募った。


気がつけば、夢中になっていた。

葉子の白い肌や髪の匂いは、いつだって俺を狂わせる。

俺の腕の中で微かに見せる笑顔を失いたくなかった。



誰よりも愛していた。

一緒にいたいと思った。



だから プロポーズした。
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