甘い恋愛なんて知らない
そうして、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「じゃ、そろそろ帰るな?」
「うん。いつもありがとう。」
「おう。じゃあな。」
そう言って輝が出ていったあとの病室は、広くて、静かに感じる。
まるで、世界中の音が消えたみたいな。
「寂しいな。」
一人呟く。
でも、その独り言に答えてくれる人はいない。
そんな自分自身を嘲笑うかのように微笑を漏らすと、輝の顔が浮かび上がる。
ポツリ
涙が出る。
輝が笑顔を思い浮かべると、胸が締め付けられる。
私は
「輝の事が好き。」